年間230万件を超える問い合わせに応える中で、対応品質を保つだけでなく、社員自身のやりがいや誇りをどう育てるか――それが最大の課題だったといいます。「お客さま対応の現場が、単なる作業になりつつあるのではないか」という危機感がその背景にありました。そこで同社が始めたのが、「WOW to Smile」プロジェクトです。電話やメールを通じてお客さまの結婚や出産など、人生の節目に触れた際、担当者の判断でお祝いのメッセージカードを贈るという取り組みです。「お客さまの笑顔を自分たちの喜びに変える」この活動は、現場の裁量を尊重し、従業員満足度(ES)を高めると同時に、自然と顧客満足度(CS)の向上にもつながりました。

 15年続くファンコミュニティー「県人コミュ」が形骸化し、「企業からの一方的な発信の場」になっていたことが問題意識として語られました。「本当にお客さまと向き合えているのか」――この問いを原点に、コミュニティーをゼロから見直すプロジェクトが始まります。再構築された新しいサイト「Ken人こみゅ」は、“焚き火を囲むように語り合える場所”をコンセプトに、人のぬくもりが感じられる交流の場として生まれ変わりました。運営担当者が自らの顔と名前を出し、手書きのメッセージを添えて投稿するスタイルに変更。その結果、投稿数やコメント数、いいね数といったお客さまからのアクション指数が大幅に向上しました。お客さまが自発的にネスレ製品の魅力を語り合い、互いに応援し合う、自走するコミュニティーへ進化したといえます。

 VOCとは文字通り、お客さまの声を生かす仕組みづくりです。電話・メール・SNS・ECレビューなどあらゆる接点から寄せられる声を収集し、リアルタイムで関係部署にフィードバックすることに努めています。SNS分析ツールを活用してカテゴリー全体や競合の動向を把握し、例えばチョコレートカテゴリーでは、トレンドワードや話題のコラボ事例を即時共有。マーケティングや製品改善に直結する“動くデータ”として活用しています。お客さまの声は“集める”だけではなく、“動かす”ことが大切。データ連携の仕組みが部門を超えた協働を促し、「お客さまの声が事業を動かす」取り組みを推進しています。

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