住宅カンパニー レジデンシャル事業統括部の皆さん（以下左から）。
技術・CS部 設計グループ 池田実咲希さん 経営企画室 企画グループ 井上玄規さん
レジデンシャル事業統括部 小山隆 統括部長補佐 事業推進室 営業グループ 高畠良太チームヘッド

　住まいづくりへの真摯な姿勢が実を結び住宅カンパニー レジデンシャル事業統括部が「SUUMO AWARD2025」を受賞しました。お客さまとの信頼を礎に進めてきた「スマート＆レジリエンス」の取り組みが高く評価された結果といえるでしょう。

錚々たる大手と肩を並べた
挑戦の成果

―― 「SUUMO AWARD 2025」を受賞された今の率直なお気持ちを伺いします。

小山： 今回は「総合部門」と「住み続けられる部門」を同時に受賞することができました。「スマート＆レジリエンス」をテーマに目指してきた方向性が評価につながったことは大きな喜びでした。
高畠： 「ここまで高く評価されるとは」というのが率直な感想です。当社レジデンシャル事業独自の視点、まちづくりやレジリエンスといった取り組みが評価されたこと、並みいる大手デベロッパーとともに当社が表彰されたことは自信につながりました。
井上： サービスを導入する立場として、自分たちが考えて実装したものがお客さまに実際に評価され、受賞につながったことが純粋にうれしいです。特に「住み続けられる部門」での受賞は、サービス導入後の管理や社内外パートナーとの連携まで見据えて取り組んできた成果が評価につながったと考えています。
池田： 当社はマンション事業の歴史が比較的浅く、知名度も十分とはいえない中で受賞できたことは素直に嬉しいです。特に「スマート＆レジリエンス」や「安心・安全・快適な暮らし」という当社のコンセプトが評価ポイントになったことを誇りに感じています。

―― 今回の受賞について社内や部内での受け止め、周囲からの反応はいかがでしたか。

小山： 現在販売中のモデルルームの入口には受賞盾とトロフィーが飾られています。お客さまに対して「評価されている会社」として印象付ける効果は大きいと思います。部署内の反応は意外にもクールで「へえ、受賞したんですね」程度でしたが、皆さんきっと内心誇りに思っているはずです（笑）。
井上： 社内だけでなく社外のメーカーやパートナーからの反響も大きかったです。「ニュースを見ましたよ」と声をかけていただくことも多く、非常にポジティブに受け止められていると感じます。新しい事業者と初めて接点を持つ際にも、受賞実績が信頼につながり、コミュニケーションが取りやすくなりました。

製品理解のための勉強会と「見える化」

―― 今回のCS向上の取り組みの中で、販売現場で積水化学ならではの工夫があれば教えてください。

高畠： 周辺物件と比較したとき、当社のマンションは「広さ」と「価格」が大きな強みです。加えて自社製品を使うことで、管理費などランニングコストを抑えられる点も特徴です。若い世代のお客さまが多く、月々の支払いに敏感なので、ローンと管理費を合わせたトータル負担を競合比較ツールで丁寧に説明し、前向きに検討してもらえるよう工夫しています。

―― なるほど。戸建てと比べてマンション販売ならではの難しさはありますか。

高畠： 戸建ては営業が自ら販売しますが、マンションは社外パートナーの販売会社に委託するため、直接お客さまと接するのは私たちではありません。そのため、当社の強みや製品の特徴を販売担当者に理解してもらうことが重要になります。
池田： 具体的な取り組みとして、モデルルームでは、内部配管模型を展示し、目に見えない部分を「見える化」することでお客さまに安心感を伝える工夫をしています。また、こうしたツールを効果的に活用できるよう、販売会社の担当者に向けた勉強会も開催し、説明方法やポイントの共有を行っています。
小山： 営業の現場では、奥さまはデザイン性に惹かれることが多いですが、ご主人は冷静に性能や構造をチェックされます。そのときに「しっかりした配管や施工をしている」と具体的に説明できる資料や模型があると、納得感につながります。
高畠： さらに当社独自の取り組みを冊子にまとめ、製品や設備の数々を紹介しています。細かい部分まで含めると、30種類以上の製品を採用しています。配管や受水槽、ユニットバス、フェンスなど多岐にわたり、共用部にも蓄電池を導入してレジリエンスに備えているなどといった情報を販売担当者に共有し、お客さまにも説明できる体制を整えています。

お客さまの声を設計に反映し品質を向上

―― 設計において、お客さまの満足度を高めるために意識している点や工夫があれば教えてください。

池田：一つ目は、先ほどお話ししたように、販売会社に対し、勉強会を通じて当社の製品の強み・特徴を理解してもらう仕組みを作っていること。これにより安心・安全をお客さまへしっかり説明できるようにしています。二つ目は、アフターサービス部門との連携です。引き渡し後に出てくるお客さまの声や点検結果を設計にフィードバックし、次の案件で改善につなげています。

―― 具体的な事例はありますか。

池田： 直近では外構の植栽に関するフィードバックがありました。木が成長し過ぎて落ち葉がベランダに入る、さらに防犯上の不安もあるといった声です。これを受け、新しい案件では木の種類や配置を工夫するようにしました。また、お客さまのアンケートで「トイレが狭い」という意見が複数ありました。そこでメーカーに協力を仰ぎ、25mm単位で配置を調整・体感できる施設で、圧迫感が出ないように寸法を検討しました。

―― 設計面で今後さらに強化していきたい課題はありますか。

池田： 今取り組んでいるのが「設計基準書・仕様書」の整備です。当社はマンション事業の歴史が浅く、これまでは先行案件を参照していましたが、今後案件が増える中で、一定の品質を担保するために設計思想や仕様を明文化した基準書を整えようとしています。

住まいからまちへ─さらなるCS向上へ

―― 今回の受賞を、今後の事業にどのように生かしていこうと考えていますか。

井上： 今回の受賞には積水化学グループが掲げている「スマート＆レジリエンス」というお客さまへ提供する大きな価値が背景にあると考えています。今後新しいサービスを導入する際も、この軸をぶらさずに展開していきたいです。「スマート＆レジリエンス」の具体的な取り組みとしては、例えばカーシェア事業者との協業があります。単に駐車場にカーシェアを導入するだけでなく、当社が独自に開発した住民向けアプリとカーシェアアプリを連携させ、予約から開錠、精算までをスマホで行える仕組みを導入しました。また、災害時に車の電力を住民に開放する協定を結ぶなど、レジリエンス強化にも取り組んでいます。

―― 交通やモビリティのサービスにも広がりがあるのですね。

井上： カーシェアだけでなく住民同士の乗合サービスやシェアサイクル、電動キックスクーターなども検討、導入しています。例えば福島県いわき市の長期プロジェクトでは、地域全体で車両を運行し地域にお住まいの住民の方を含め、誰もが利用できる交通サービスの構想もあります。当社が提供するサービスが地域社会にも貢献できれば、行政との協働や再開発事業でも高い評価が得られます。実際に、行政関連の案件や区画整理事業の提案も増えており、まちづくり事業の新しい価値創造につながっていると感じます。

まとめ

―― 最後に、今回の受賞がレジデンシャル事業全体にとってどのような意味を持つのか、また今後のCS向上に向けた方向性についてお聞かせください。

小山： 今回の受賞は、お客さまからの信頼の証であり、ブランド価値を高める重要な成果だと思います。モデルルームに受賞盾を飾ることでお客さまへの印象が変わり、営業現場での説得力にもつながっています。
高畠： 営業の現場では、お客さまに「選ばれる理由」をしっかり示すことが重要。価格や広さだけではなく、積水製品の品質や強みを明確に伝えることで、競合との差別化を図りたいと思います。
井上： CS向上の取り組みを事業全体の価値創造に結び付けていくことが大切です。「スマート＆レジリエンス」を軸に、販売・設計・企画それぞれの現場で積み重ねてきた工夫を体系化し、ブランドとして浸透させていきたいと考えています。
池田： 設計の現場では、基準書や仕様書の整備を進め、どの案件でも一定の品質を担保できる体制を整えることが課題です。アフターサービスの声を設計に反映させる仕組みもさらに強化し、お客さまに「住み続けたい」と思っていただけるまちづくりを目指します。

「スマート＆レジリエンス」の理念のもと、販売・設計・企画が一体となり、安心して暮らせる住まいとまちづくりを追求してきた住宅カンパニー レジデンシャル事業統括部。CS向上の取り組みはSUUMO AWARD 2025の受賞という輝かしい成果として実を結びました。事業に関わるメンバーのモチベーション向上にもつながり、さらなる価値創造への取り組みを加速させています。

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